文京シビックホールは、東京都文京区にある複合施設「文京シビックセンター」内に設置された、文京区区役所が所有するコンサートホールです。
文京シビックホールには大小２つのホールがありますが、今回私たちが演奏会を行うのは大ホール、正式名称「響きの森文京公会堂」です。
「響きの森文京公会堂」は、昭和３４年から昭和５２年まで開業していた「文京公会堂」の跡地に平成６年に建設され、区民の芸術・文化への交流の推進や、文京区のシンボルとしての役割を果たしています。

今回演奏を行う大ホールの舞台は、プロセニアム形式と呼ばれる構造になっています。
プロセニアム形式とは、プロセニアム・アーチという舞台前面に設置された額縁のような枠によって、客席と舞台がはっきりと分かれている構造のことを指します。プロセニアム・アーチは１６世紀後半から１７世紀初頭にかけてのイタリアで成立したと言われており、ヨーロッパでは近世から近代にかけて、最もポピュラーな舞台構造となりました。パリのオペラ座やミラノのスカラ座なども、同じプロセニアム形式の舞台になっています。

この舞台形式の普及はオペラの流行に伴ったもので、観客に額縁型の枠を通して舞台を見せることによって、舞台上の俳優や歌い手をより客観的なものとしてとらえさせる効果が期待できます。
また、クラシックの演奏に最適なほどよい残響を生み出す音響反射板と、生み出された音を客席に届ける花道反射板、さらに客席の側面が一体化することで、より良い音響環境を生み出しています。このように、クラシックコンサートを主とした音楽のイベントに最適な設備が整っています。また満席時の残響は２.０秒となっており、他の著名なコンサートホールと比較しても引けを取らない、素晴らしい響きを有します。

このような設備の素晴らしさもあって、多くの団体が公演を行っています。東京フィルハーモニー交響楽団やNHK交響楽団など日本の団体のほか、近年では海外の演奏者やオーケストラの出演も増えてきています。
また、客席数は1800席と中大混声60年の長い歴史の中でも最大級の広さを有し、東京都合唱コンクールやNHK全国合唱音楽コンクールの会場として利用されるなど、合唱のための会場としても名高いホールです。